貧血??
「検診で毎回ひっかかって、薬が出て治るんですけど、またひっかかるんです。」
「貧血があって、内科でお薬をもらっています」
「検査ではひっかからないんですけれど、貧血があるんです」
これらはよく聞くお話です。
まず、「貧血」って?
ふつうは高校生が朝礼の最中にバタッと(あるいはくらっと)なるのを「貧血」って言いますが、うちらの業界じゃあ、そーいうんは「起立性低血圧」なんて呼ばれます。
わしらの言う「貧血」ってーのは血液の中の酸素を運ぶための赤血球、そしてその中の「ヘモグロビン」が少ないことをいうんじゃ。
身体は酸素がないと雨後カンケン、、いや動かんけん。貧血はよろしくないんじゃ (あれ、なんか口調が変ですね)
なぜ少ないのか?
ものが少ないときには原因は3つ考えられます。
1 原料が無い
2 工場が調子悪い
3 作ってるんだけども すぐにどこかへなくなる
1..赤血球を作るのにはそれなりの栄養とエネルギーが必要なわけですが、今の日本で普通の食生活をしていれば、足りないのはほぼ「鉄」です。
肉食べないとか、胃をとっちゃったとか、
2..白血病とか、再生不良性貧血とか青春小説に出てきたような病気、これはめったにありません。
3..作っている赤血球が、血管の中で溶けて無くなる、あるいは知らないうちに出血してる。
妙齢の女性のばあい、多くは「生理が多いせい」です。(胃潰瘍とか、消化管からの出血も考えられます)
生理の量なんて、測ってみればいいわけで、使い終わったナプキンの重さから、使う前の重さを引けば、大体の出血量がわかります。
これをできれば1回の生理で、総計どれだけになるか測ってみましょう。
ある調査では平均65gだったそうです。100gを越えると「多い」と思ってください(必ずしも「異常」というわけではありませんので念のため)
あと、大きな血の塊がでるとか、夜用のナプキンをいつも使っているとか。。。
生理の量を減らすにはどうするかって?
女性が人生のどのステージにいるかが重要です。
もう子供は産まないという方は 子宮を取る、子宮内膜を電気メスで焼く、子宮に行っている血管をいくつか詰まらせる 、
子宮の中に黄体ホルモンをだす小さなスポンジの器具を入れる(ただし、下からお産していない方はちょっと厳しい)、なんてことから
お産がまだの方でも
1 デンターTハミガキ粉にも入っているような出血全般を減らす薬を使う
2 かんぽー
3 ピル・ピルみたいな薬をのむ
4 黄体ホルモンをのんでちゃんとした生理を止める
5 生理を(1時期だけ)止める薬を使う
なんてことができます。
ご相談ください。
(1) トラネキサム酸など
血管壁を強くするとか血が固まりやすくなるとか、炎症を抑えるとかの薬を併用することで、多くの方の出血量がかなり減ります。
必ずでは無いですが、多くて悩んでいる方は試してみる価値があると思います。
保険が効いて 1日あたり(出血している日だけ使うわけなんで、月に5日ぐらいですかね)100円以下です。
(2) 漢方薬
中国3000年の歴史、
生理痛のひどいお妃さまもいたことでしょう。多くて悩んでいたお妃さまもいたことでしょう。
毎日のんでみたり、生理の時だけのんでみたり。。いくつか保険の効く漢方があります。
ご相談ください。 保険が効いて 1日あたり100円以下だと思います。
(3) 低用量ピル(OC)/低用量EP配合薬(LEP)
建前上 扱いが違いますが、本音ではほぼ同じものです。
海外では「生理が2回来たら、始めてもかまわない」とされていますが、避妊の嫌いな日本男児(元)らが、やれ背が伸びなくなるとか、血栓ができる、環境に悪いだとかいちゃもんをつけます。
一番安いジェネリックのが、保険が効いて 1月分で2000円弱です。
(4) 黄体ホルモン製剤
「黄体ホルモン」は、本来排卵後に卵巣から自然にでるものですが、服用することで逆に排卵を起こしません。なのでちゃんとした生理が来ません。。。ちょっとの出血が続くことがあります。
ジェネリックで、保険が効いて 1月あたり3500円ぐらい。
(5) GnRHアゴニスト製剤
卵巣を刺激するホルモンを一時的に出さなくします。
卵巣がちゃんと働かない→生理が来ない。。。のであります。
ただし保険が効くのは連続した6ヶ月となっておりまして、(半年休めばまた始められますが)
生理がホントにひどい人は「この半年、生理が無くて本当に天国のようだったのにダメなんですか?」と言われたりします。
鼻に毎日2回スプレーしなきゃならないタイプのが 保険が効いて 2500円、
月に1回の注射ですむのが 保険が効いて 6500円
更年期障害のような症状が出ることがあります。追加のお薬で対処することもできますが、使い始めはいつでもやめられるスプレーで始めてみるので如何でしょうか?