排卵誘発


 生理が順調な方には強くお勧めするものではありませんが、誘発すると妊娠率が少しだけ上がると考えられています。(排卵しない場合は、排卵が起こるまで徐々に強くしていきます。)


排卵誘発剤

クロミッド®(一般名:クロミフェン)

 排卵誘発薬の第1選択は長い間(日本産科婦人科学会の診療ガイドラインによれば)

クロミフェン(クロミッド® は クロミフェン のブランドネームです。)でした

 生理周期の5日目より15日間服用します。 (全然排卵がない方は妊娠していないのを確認できれば、その時点から服用開始することもできます) (効果がない・弱い方は次周期から増量します)


 クロミフェン は 良い薬なのですが、一方で(排卵頃の)頸管粘液が少なくなってしまったり、子宮内膜が薄くなってしまう副作用があります。(そして、あまり長く使うと薬をやめても元に戻らないといわれています) 

 このような副作用もあるため、10服用したら、1周期はお休みしましょうとお話ししています。

(クロミフェンを休むのであって、他の方法で排卵誘発するのはかまいません。


セキソビット®(一般名:シクロフェニル)

 クロミッドの副作用を減らした。。。はずの薬なのですが、効き目もその分あまり。。。


レトロゾール (フェマーラ®

 レトロゾール は世界中で不妊治療・排卵誘発に10年以上も使われてきました。

日本ではやっと20224月より排卵誘発剤として、あるいは原因不明不妊の方にも保険適用となりました。(フェマーラ® はレトロゾールのブランドネームです。


 このお薬クロミフェンとほぼ同じように(ちょっと違いますが)卵胞発育を促します。

通常 生理周期の3日目より服用します。(これも、全然排卵がない方は妊娠していないのを確認後であれば、いつからでも飲み始めることもできます。。。が、子宮内膜がある程度厚くなっているとクロミフェンと違って出血が見られることがあります。〜特に害はありませんし、妊娠を妨げるものでもありません)

 クロミフェンと違うところは血中半減期が 45 時間と短いため 内服終了後速やかに体内から無くなるところです。 クロミフェン(半減期がとても長い)にみられる子宮内膜が薄くなるとか、頚管粘液が減ったりする副作用が少ないとされています 

 レトロゾール周期での卵胞発育は 12 個が多いですが、多胎妊娠もあります。 (クロミフェン周期より低いとされています 体外受精治療でも使用する場合があります。


  New England Journal of Medicine 誌では PCOS 不妊症 750 症例(排卵障害が不妊の主原因であると思われる方 1840 歳)を無作為に 2 群に分け、最多 5 周期まで治療した研究結果が示されました。

 クロミフェンレトロゾール は周期あたり排卵率が高く、最終生児獲得率は 27.5%(クロミフェン 19.1%)と有意に高く、双胎妊娠3.9%(同 6.9% )でした。

 原因不明不妊症での人工授精治療での妊娠率はクロミフェン 78% レトロゾール1012%

FSH 注射が1418% と報告されています。


 排卵誘発剤の一番多い副作用は「思っていた以上に効いて、双子ができる」というものです。 2つ以上排卵しそうなときは超音波検査でわかりますので「2つ排卵しそうですよ」などとお教えします。避妊していただいて結構です

 その他には滅多にはないけれども重要な副作用として、霧視(むし)があります。

視野に「もやがかかったように見えるんだそうです。

これはあまり起きることではありませんが、その場合にはすぐにやめていただきます



 うまく効くときは飲み始めてからクロミフェンで1011、レトロゾールで1213ぐらいで排卵します。(服用終了から24日たった頃来ていただいて、超音波で効果を確認しましょう) 


  卵胞最終刺激: 卵胞が充分に成熟したと判断したら hCG(ゴナドトロピン)注射により排卵を起こします。 (オビドレルという注射を使うことが多いです。)

卵胞が充分に成熟した状態でタイミングを取る注射をすると36 時間後くらいで排卵すると考えられています。 (すでに大きくなった卵胞しか排卵しません)


 AIH 、または性交を 排卵にぴったり合わせよう とする方がいらっしゃいますが、

排卵の2日ぐらい前が妊娠率が一番高いという報告もあります。(卵子の受精する力は長くて1日と言われていますが、精子は35日受精能があります。 精子が泳ぎつくまで、または「受精能獲得」するのに時間がかかるのかもしれません)


 ※ 成熟卵胞があまり多い場合は多胎防止のためキャンセルさせていただくことがあります

 10 日目ころに 卵胞 が まだ 10 12ミリを超えていない場合 FSHhMG 製剤(ゴナール エフhMGなど)の注射併用をお勧めすることがあります。

(レトロゾールは、体から速やかに消失するため 服用終了してしまえば(クロミフェンと異なり)卵巣を刺激する力はあまり期待できません。


他に注射薬もあります。。。